内径の理論に基づく治療


中国最古の医学書:内径(だいけい)にある「通じなければ痛み、通じれば痛まず」という理論に基づき、骨格筋への刺鍼をいたします。使いすぎや不自然な緊張を続けて硬化した筋肉に、血流を取り戻し、神経の圧迫を取り除き改善をうながす現実的な治療です。

 

痛みや不快な症状の多くは、血流が滞り硬くなった筋肉が神経や血管を締めつけることによるものです。血流が悪くなれば酸素も栄養も運ばれにくくなり、老廃物や疲労物質もその場に留まり蓄積され塊となります。そのような状態になると自力ではなかなか解消することができません。取り残されたところが流れを阻み、不快症状や冷えの原因も作ります。自覚できる痛みやコリは、やがて感覚鈍麻→麻痺→硬化→骨格の歪みと進展します。ストレスによって意識せずとも筋肉の緊張が日常化した場合も同様になります。

 

カラダは一部の歪みを保ったままバランスをとるため、不自然な姿勢が次第に定着していきます。時間が経過するほど繊維化が進み固くなり、治療もキツくなり回復にも時間がかかります。ほんの一部でもそのままにせず、早めの手当が転ばぬ先の杖となるでしょう。

自己治癒力をONにする


原因となる部分を鍼先がとらえた時のみ、鍼ならではの作用が起こりご自身の治癒力がONになり、カラダが積極的に治そうと働き出します。

 

関連する筋肉にも、それぞれの方の順序で最良の反応(筋肉の収縮・弛緩・部分的な発熱)が現れます。

 

具体的にカラダでどのような反応がおこっているかというと…

①自己治癒が発動する②発熱がかたまりを壊し老廃物を燃やす③筋肉が収縮と弛緩を始めポンプ作用となる④古い血液と新しい血液が入れ替わる⑤新しい組織に修復・再生される

…ざっくりこうした工程をたどります。

 

この治癒反応の動きは外から見てとれる時もあり、それを目にする度に生命の神秘を感じさせられます。治療者はキッカケを施すに過ぎず、ご自身が起こす治癒の仕方に優るものはまずないと思います。

 

このような理由から、当院は常におひとりおひとりのカラダが決めたプログラムやペースの尊重を第一とするため、電気的な治療器は特定の場合を除き使っていません。

頸に現れるカラダの症状


当院は頸の治療に重きをおいています。頸の状態が悪くなることで、頭痛をはじめとする様々な問題にすすみ、こじらせている方をこれまでたくさん見てきました。

 

リモートワーク化が進み、PCやスマホありきの昨今では現代病といえるでしょう。

 

頸は頸だけの問題ではなくカラダ全体の影響も現れます。重い頭を支えながら前後左右のバランスも一手に引き受けているので、背中や腕はもちろんのこと、頭から手足にいたるまでの、どこがひずみとなりその分どこに負荷がかかっているのか、丁寧にみていく必要があります。

 

また頸や背中の状態は自律神経にも大きく影響します。高血圧・更年期障害・睡眠障害・冷え症・生理の問題耳・喉・顎や噛み合わせの問題、そのほか不定愁訴など様々な要因となりえます。逆もしかりで、内臓や自律神経の影響が首や背中の状態にも現れます。

 

単なる頸の痛みとはいえ、全体を把握しなければ本当の解消には至りません。